刻印・月輪 ひとつ屋根の下

 

96 名前:刻印・月輪 ひとつ屋根の下 投稿日: 2009/11/21() 22:59:01

・なんか現代社会で同居している刻印・月輪の兄弟妹弟子達の日常の様です。
・築20年、一戸建てで互いの師匠達も一緒に暮らしている。
・一応 ネイサン→←ヒュー アルバス(傍観者)な流れです。

「待てっ!」
「いくらなんでも剣を振り回している状態で近づけると思っているのか!?」
……またいつもの喧嘩か。仲の良い事だ」
「家に帰って来た途端すぐこれだ! 止めんか! 大概にしろっ!」
――
ズガシャーン!
 いつものように次男ヒューはヒス全開で築20年の一戸建て家屋全体に衝撃を与え
たため、長兄アルバスにアガーテぶっ放されて彼はのされた。
 それから恒例の反省会にてアルバスは卓袱台にトントンと指を叩きながら呆れ顔
でヒューを詰問し、改善策の提示と考えを聞いていた。
 アルバスは胡坐を掻き、ヒューは勿論しょげ返って正座で叱責を受けている。
ア「お前はもう少し日常会話の語彙と感情の幅を増やせ」
ヒ「何でお前にそれを言われなきゃならない?」
ア「シャノアはさほど気にしていないようだからいいが、ネイサンの事を考えてみろ。
いつも気を使ってお前の逆鱗に触れないようにしているのに、少し気に障った
からと言って常に嚇怒するのはどうかと思うぞ」
ヒ「いつも悪いとは思っているが――
ア「悪いと思っているのなら何故やる?」
ヒ「気恥ずかしいからだと思う」
ア「だからと言って相手を威圧するのもどうだろうか? 命にかかわったり社会
 的に被害を受けたと言うならともかく、このままでは人が離れて行くぞ? 
 それに何故家の外では普通に生活できているのに家に帰ったとたんこうなる
 んだ?」
ヒ「解らないが……たぶんあいつが俺に対して気をいつも使っているのに、必
 要以上に構われてしまうのが何というか申し訳ない気分と、同時に年上とし
 ての面子が立たない恥ずかしさで……つい」
ア「そんな益体の無い面子と、それに付随するプライドなんぞブラックドッグ
 に喰わせてしまえ!」
ヒ「ああ。俺だってそうしたい」
ア「まあいい。いつもの事とはいえどうしてネイサンの前では謝ったとしても言葉
 に詰まるのに、あいつ以外の人間には普通に説明できるのか不思議でたまら
 んよ」
ヒ「それが判れば苦労もしないし、ネイサンに対してもう少し柔和に接する事が
 出来るだろうにな」
ア「とりあえず今日俺が言った事を実行してみろ」
ヒ「解った」