マクシーム×ジュスト

 

3 名前: 我ながらこれはひどい 1/3 投稿日: 2006/06/04() 22:17:57

「ならば、俺がその気にさせてやる…行くぞ!!

 途端、視界は暗転した。

 数瞬後に飛び込んできた光景は、見渡す限り極彩色の四方と、蠕動を続ける壁。
 吐き気を催すのも時間の問題だった。
 思わず目を背ける。
 それはほんの一瞬の事ではあったが、今や人外となった""がその隙を見逃す筈もない。

「──!」
 全身に鋭い痛みが走り、あっけないほど簡単に武器は奪われた。
 敵を排除する為のそれは皮肉にも持ち主を拘束するのに使われた。
 力の限り腕を動かしてみるがビクともしない。
(ドラキュラの力とはこれ程の物なのか…)
 そんな事を考えている間に、勝ち誇った声が聞こえてきた。
「フ…ベルモンドが聞いて呆れるな…やはりお前など俺の敵ではないな」
 言いながら、マクシームはジュストのベルトを取り外しにかかった。
 予想外の行動にうろたえる暇もない。
「…? 何のつもりだ…」
「決まっているだろう。この状況で、」
 低い声が間近で耳に注ぎ込まれる。
「わからない、なんて事は無いだろうが、ジュスト君?」
 思わず震えが走った。
 平静を保とうとするも、何か得体の知れない恐怖と混乱で顔が強張る。
 ベルトとパンツが下ろされ、下着に手がかけられた時、混乱は確信となり更に絶望へと変わった。
「…こんなことはやめろ、マクシーム。
辱めたいのならいくらでも方法はあるはずだろう」
 半ば無駄とは知りつつもそう口にしてみる。

 が、案の定問いかけは無視される。
 あっさりと下着は下ろされ、ジュストのそれは外気に晒された。

4 名前: 我ながらこれはひどい 2/3 投稿日: 2006/06/04() 22:19:01

「マクシーム…もうやめろ、それ以上おかしな真似をするのは…」
 いよいよそこに手がかかり、包み込まれる。
 と、顔が近づいてきて今度は生暖かい感触が襲った。
 思わずぎゅっと眼を瞑る。
 抵抗しようにも雁字搦めにされた身体は全く言う事を聞いてくれない。

「そうそう無駄な抵抗をするな。噛み千切られたいのか?」
──本気だ。
 奴は殺そうと思えばいつでも自分を殺せるのだ。
 まるで、猫が獲物を捕まえては弄ぶ様に。
 ジュストは自分が狩られる立場である事をたった今思い知った。
 
 自覚すると同時に、みるみるうちに力が抜けていく。
「…そう、いい子だ。せいぜい楽しむ事だな…」
 そう言って、手の中のそれを激しく擦るように扱い始める。
 少しの驚嘆と、久しく忘れかけていた悦楽に自然と声が漏れた。

 もちろん自分でやった事が無い訳ではないが、それが他人の手によって行われている。
 それも、親友であった男に。
 得も言われぬ羞恥と恐怖とがない交ぜになり、白い頬が朱に染まる。
 必死で声を押し殺す事が、彼に出来た唯一のことだった。
 舌で先端をを執拗に責められ、やがて限界が近づく。
「ぅあ…」
 耐え切れなかった声と共にジュストは達した。
 びくん、と大きく痙攣するように震え、白濁を吐き出す。
 息の整わないジュストを尻目に、マクシームは次の手順に移行する。

「マクシーム…何を…」
 既に熱く猛った自身を取り出し、手のひらに付いたジュストのものを塗りつける。         キモスw
 そのまま慣らしてもいない奥を無理矢理に押し進んだ。
「……ひ…ッ!」
 規格外の挿入により引き裂かれる痛みに、生理的な涙が止まらなくなる。
 マクシームはそんな事にはお構いなしに、好き勝手に動いている。
 突き動かされる度に痛みが走り、
 血と体液が混ざり合う粘着質な音が絶え間なく聞こえる。
 ジュストはそれを虚ろな目で、もはや他人事の様に観察していた。

5 名前: 我ながらこれはひどい 3/3 投稿日: 2006/06/04() 22:19:56

 もう一度だけ、ありえない期待をこめて目の前の顔を見上げる。
 
 今ここで行われている事は何かの冗談で、リディーが攫われたのも冗談で。
 また3人で過ごす日々が訪れるのだと、今すぐ言って欲しい。
 1も2も無く信じるだろう。
 だが、そこにあるのは紛れもなく親友の顔なのに、彼はもういないのだ。
 それを認識せざるを得ない状況に、いたたまれない気持ちで一杯になる。
 また、涙がこぼれた。

──唐突に動きが止まり、小さな呻き声が聞こえた。
 生暖かいものが中に放出される感覚に、ぞくりと戦慄が走る。

「…シーム…マクシーム、すまない…」
 組み敷かれた身体から、ふいに掠れた声が響いた。
「──何故謝る?」
 心底驚いた様な声が返ってくる。
「俺、は、お前の苦しみに、気付く事が…できなかった…
ずっと一緒にいたつもりでも、俺はお前の事を何も…わかっていなかった…許して欲しい。
俺に出来る事なら、何でも、償おう…だからもう、こんな」
「こんなふざけた真似はやめろと?」
「…マクシーム、違…」
 目の前の相手は無言で口の端を吊り上げ、初めて口付けてきた。
 強引に舌を絡められ、自分が出したものの苦い味を僅かに感じた。
 紡ぎかけた言葉は消され、再び行為は再開される。

 続けられるうちに、初めは苦痛でしかなかった筈のそれが段々と
 微かに、しかしはっきりと、快楽の形を示そうとしていった。
 殆ど絶望的な気分でそれを自覚する。
 
 熱い迸りを下腹部の中と外で感じた。
 

 永遠とも思われる時間が過ぎた。
 いつ果てるとも知れない行為。もう何回繰り返されたのかも判らない

 ジュストの身体は心労と痛みでボロボロだった。
 視線は宙を舞い、四肢からは疾うに力が抜け落ちている。
 その様子をふと確認してから、マクシームは満足気に呟いた。
 最も、声が聞こえているのかも不確かだが。

「…俺の物だ。あの女も貴様もな。償うと言うなら、全てを捧げてもらおう」
 直後、首筋に激痛が走ったが、もう抵抗する様子もない。
 体中が耐え切れないほど熱く疼く。
 音を立てて啜られる血と入れ替わりに、諦めにも似た虚無感が流れ込んで来た。


 再び、視界は暗転した。